農薬の種類は様々あります。

・殺虫剤
・殺ダニ剤
・殺線虫剤
・殺菌剤
・除草剤
・殺虫殺菌剤
・殺そ剤
・植物成長調整剤
・忌避剤
・誘引剤
・展着剤



以上のように、ほとんどが作物に被害を及ぼす虫やダニ、菌などを駆除する目的で使用されます。
殺す目的で使用されるわけですから毒性が強いわけです。

中でも殺虫剤・殺ダニ剤であり、有機リン系農薬に位置しているのがフェニトロチオン(MEP)です。
商品名はスミチオン。

フェニトロチオン スミチオン.jpg
ではフェニトロチオンとはどのような農薬なのでしょうか?

効果や毒性は?


●フェニトロチオン(MEP)とは

1959年から使用されており、1961年12月26日に農薬登録。
農作物や街路樹などのアブラムシ・アオムシ・ガなどの害虫駆除に用いられています。

また、家庭用殺虫剤としてハエ・蚊の駆除や、動物用医薬品、シロアリ駆除剤としても使用されています。
ゴキブリ駆除の薬剤としても用いられています。

●フェニトロチオンの基準値と毒性

・残留基準値
フェニトロチオンは毒性があるので残留基準が定められており、小麦の場合は10.0ppm以下。
それ以外の74種類の作物に対しては0.05〜10.0ppm以下ということが定められています。

ずいぶん開きがある気がしますけど。。

・毒性
一日の摂取許容量は体重1kgあたり0.005mg。
有機リン系特有の神経毒を含みます。

具体的な中毒症状は、倦怠感、頭痛、吐き気、多量発汗、視力減衰、縮瞳など。
比較的毒性が弱いとされていますが、過去には2件の死亡事故があります。

1.フェニトロチオン複合剤散布直後に水田に入った農夫が死亡。
2.住宅のダニ駆除のためにフェニトロチオン製剤を使用し、家族全員に中毒症状が現れ、5歳の女の子が死亡。


水生生物、特に甲殻類に強い毒性があるので、河川に流すのは厳禁。
また、ミツバチにも影響を及ぼすので、かなり注意の必要な農薬です。

アブラナ科植物(小松菜、大根、ストック等)には薬害が出るので使用できません。



●フェニトロチオンの半減期

フェニトロチオンは光分解、加水分解します。
なので太陽が当たっている水中での半減期は24時間以内。

フェニトロチオンの経皮吸収の半減期はサルの場合は15〜17時間。


●フェニトロチオンの代謝

フェニトロチオンは実験動物の腸管から速やかに吸収され、種々の体組織に分布します。
排出の主要経路は尿経由。

代謝生成物は

・脱メチルフェニトロチオン
・脱メチルフェニトロオキソン
・ジメチルチオリン酸
・ジメチルリン酸
・3‐メチル‐4‐ニトロフェノールおよびその抱
合体


ラット・モルモット・マウス・イヌの場合、代謝生成物の大部分は2〜4日以内に排出されます。
人の場合も24時間以内に尿から排出されるものの、中毒症状も起こるので取り扱いにはかなり注意が必要です。

●ゴキブリなどを残留処理で駆除するとき

ゴキブリを駆除するときにもフェニトロチオンが使われています。

ゴキブリの通り道や潜んでいそうな場所に、フェニトロチオンなどの有機リン系の薬剤を塗ります。
ゴキブリがそこを通ったときに体に薬剤が付き、体表から毒が体に回って死にます。

薬剤を塗布してから1カ月くらいは薬の効果があります。ゆえに残留処理と言います。

●まとめ

農薬は確かに便利な存在です。
しかし、その反面、毒が含まれており人体に何らかの影響を与えているのは事実です。

特に、フェニトロチオンは死亡事故も起きていますし。

もし使うならば、リスクをしっかり把握した上で使用するのがいいでしょう。